>>Delta

主張?:コピー本の精神 を読んで

2006年1月 5日

主張?:コピー本の精神 を読んで

主張?:コピー本の精神無重力実験とアニメについて)を読んで。

同人誌には2種類あります。オフセット印刷とコピー本です。

「オフセット印刷」というのは印刷所に発注して製作した、まあ「きれいな本」のことです。普通の本屋さんで商業的に販売されているソフトカバーのような本をオフセット印刷といいます。

それに対して「コピー本」というのはその名前のとおり、もともとはコンビニのコピー機でコピーした紙を折ってホチキスで綴じた本のこと、もうちょっと一般化して「紙をホチキスで綴じて作った簡素な本」のことをコピー本といいます。まあ、紙をホチキスで綴じた簡単な感じの本をコピー本といって(繰り返しか…)、しっかりした本をオフセ本というのですよ。

(中略)

それで、コミケとか、同人誌の中ではオフセット印刷はコピー本よりも格上だと認識されているんですよ。けれども、私がこの前コミケで買った本はほとんどがコピー本なので、コピー本のファンとして今回こうしてコピー本擁護論を書こうと思ったわけです。

そもそもコピー本は本じゃないだろう?って思いました。率直な感想。

本じゃないといったら反感を買うかも知れないけれど、自転車をして車だと言い張るようなもの(いや、実際“車両”ですけど…)。そもそも同じ土俵に立っていないと思うのですよ。

価値がないわけじゃない。けれど「自転車でも車に勝てるんだぞ!」ということをいくら言っても大した意味はないのではないか。

コミケとか、同人誌の中ではオフセット印刷はコピー本よりも格上だと認識されているんですよ。

中谷氏ははこの認識について一般論しか述べられてないので、ご本人がどう思っているかはわかりません。私はオフセット本はコピー本より格が上だと思います。理由は先述の通り。コピー本は本と言えば本だけど、冊子に近いと思ってます。

本としての物理的形態のレベルが低いことは、表現内容のレベルの低さとは一致しないと私は言いたいです。というか、それが表現行動の基本ではないかとすら思います。

確かに、ダメなオフセット本も、素晴らしいコピー本もあるのでしょう。中谷氏の述べる通りです。でもそれはコピー本を評価するものではないなと思う。オフセット本を作っている人たちにしてみれば、自分たちの伝えたいことのためにお金の遣り繰りからスケジュールまでコピー本にはない苦労があって出来上がった本なのですよ。「コピー本でもいいじゃないのさ」の一言で片付けられたらきっと傷つくんじゃないのか。私は中身は同じでも媒体によって付加される重みというのは存在していると思います。表現の一部としてですね。

中谷氏は内容のみを見ているようだけれど、私はコピー本であっても作りを見るのでそう思います。伝わる努力をすることもまた基本です。製本したというだけでも、十分にその価値はあるはずではなかったでしょうか。

以上、氏には思いがけぬ的外れな批判だったかもしれないと思いつつ。ありがとうございました。

好きか嫌いかと言う意味で言えば私はマイナーな世界が好きな方です。巨大なソフトウェアよりも、ユーザーの声が届くようなフリーウェア・シェアウェアの方が好き、とか。

ここまで読んでくださった方にこういうのも何ですが、私はコミケに行ったことも同人誌を買ったこともありません。あるとすれば、せいぜい大学の学校祭にでかけて冊子を買ったり、コミケで販売をされている絵師さんの日記を読んだことがある程度で。

投稿者 CASPAR003
投稿時刻 00:14
カテゴリー 他所の支援と批判
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記事へのリンク https://www.caspar003.info/delta/archive/2006/01/05/0014.html
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中谷@無重力

無重力実験とアニメについて、管理人の中谷です。どうも、ご紹介ありがとうございます。

> そもそもコピー本は本じゃないだろう?って思いました。率直な感想。

なるほど。そもそもそうとらえるものなのですか。私は冊子もまた本の一形態だと思っていたので、本ではないとは思いませんでした。一般的に「本」がどう定義されているのかということは知りませんが、コミケの中ではコピー本も本には違いないとは思っています。

> そもそも同じ土俵に立っていないと思うのですよ。

そうですかね。発行部数の違いはありますが、それ以外は一応同じだと私は思っているのです。

> ご本人がどう思っているかはわかりません

私は「両方とも同じ」だと思っています。どちらも等しく価値があると考えています。単にコピー本だと発行部数を多くできないという点が違うかなと思っています。ただ、それが本としての優劣には影響がないと思っているのです。

> 私は中身は同じでも媒体によって付加される重みというのは存在していると思います。

知人も本がきれいなほうが売れるということを前に言っていましたが、私は本というのはそこに書いてあることを見るために買うのであって、形態には全然こだわらないんですよ。だから部数が少ないことを除いてはコピーだからといって低く見る必要はないと感じているのです。

> 伝わる努力をすることもまた基本です

それは確かに。ただ、私はコピーかオフセかの違いは製作側としては部数によって決めるものであって、小部数の発行にわざわざオフセを選ぶという選択肢はちょっと違和感を感じてしまうのです。

> 巨大なソフトウェアよりも、ユーザーの声が届くようなフリーウェア・シェアウェアの方が好き、とか。

同感です。私も心情的に小規模でがんばっているほうを応援したくなりますね。

重ね重ねご紹介ありがとうございましたm(_ _)m。

CASPAR003

私としては中谷さんの意見を変えるに至らなかったという点でこの文は失敗です。残念。

そして、こうして一つ一つお返事を頂けたことには感謝です。ありがとうございます。

最近、無重力さんの記事は考えさせられるものが多くてつい考えることに熱くなってしまいがちです。これからも楽しい記事を書き続けてくださいです。

今気がついたのですが、私はコピー本は基本的に格が下だと思っているから、コピーを見てもっと努力したらどうかと思い、中谷さんはそういう感覚がないからコピーかどうかは採算性で決まるものだという。私の主張はやっぱり無力でした。

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