Maxwell Renderセミナー行ってきた
Maxwell Render 3.0活用セミナーに行ってきました.仕事で行ければよかったのだけれど,あいにくフォトリアルCGは仕事じゃないので,プライベートで.以下は,その内容をメモをたよりに振り返ったもの.
- 物理量という基準で統一したモデルを作るようにすれば,モデル,マテリアル,照明等の資産(CG業界ではアセットとカタカナで呼ぶらしい)が増える.Maxwellはそれを素直に活用できるツールなので,フォトリアルで進んで行くにはMaxwellは良いよ.
- 物理的に正しいシーンを作る上で,物理的に正しいマテリアルの設定が特に難しい.照明とカメラはカタログスペックをそのまま放り込みやすいので,正しいライトと正しいカメラで正しく見えるマテリアルは正しいはず,という論法で調整していけば良いのではないか.
- refractiveindex.infoは物理ベースCG屋の強い味方.
- 例えば,皮素材といっても通常表面はポリウレタン塗装されている.素材のイメージに騙されず,どうやって作られているのかきちんと調べて知識を蓄えていくことでマテリアルを扱うセンスが磨ける.
- 拡散反射率+スペキュラ反射率という思考自体が誤りのもと.反射率+荒さという思考に切り替えよう.
- 近年の工業製品系CGのお仕事は,3DCADのデータをもらってくるところから始まる.1からモデリングするスキルより,CADを手早く料理するスキルが要求されるようになってきている.
- 工業製品系で写真がCGに置き換わっていない業界として,照明器具業界がある(レンズや鏡面反射で配光している照明器具をまともに扱うのはMaxwellを含めたパストレース系レンダラーの苦手な分野ですし).
- modoのリトポロジーがすごく便利(modo教の日比氏の教え).
- いろんなソフトがプラグインを介してMaxwell形式を扱えるようになっているが,先述の拡散反射率+スペキュラ反射率みたいな物理ベースに馴染まない形式をそれっぽく変換しているにすぎない.あくまでプラグインは中間形式へのエクスポーターとして考え,詰めはMaxwell Studioでやるつもりでいた方が良い.
- Photoshopのmxiプラグインは便利だから是非使ってね.
Maxwell使ったワークフローを構築したいなーという気持ちを高めるには良いセミナーでした.あまり商売っ気を感じないセミナーで,インディーゾーンさんこれで良いの?と聴いてるこっちが心配になるくらい.
またあったら行きたい.Maxwell欲しい.なセミナーだったので,全体としては良かったと思います.
MiniDiary
unbiased教
あと,出てくる人が皆で口を揃えて「unbiasedレンダラー素晴らしいよ」みたいに言ってて,ちょっと気にかかりました.biased < unbiasedみたいな価値観が広まっちゃうと,biasedな手法でレンダリング方程式を研究している人がかわいそうなので.
投稿者 | CASPAR003 |
投稿時刻 | 23:25 |
カテゴリー | Shade |
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記事へのリンク | http://www.caspar003.info/delta/archive/2014/03/07/2325.html |
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