4月28日の日記
演じることの効能は大きく2つある。
一つは、日常の所作に正解が与えられることで、ふるまいに自信がつく。これは、自分の所作に「あの人の真似である」とか「本で読んだ」といった具体的な参照点ができて、自己流ではなくなるためである。人は、自己流を人様の前で披露するという状況にストレスを感じるものなので、自己流の所作は少ない方が楽である。
もう一つは、演じる元となったお手本も完璧ではないと理解できることである。何かを真似るために観察するようになると、その手段の全く非効率な面を発見したり、その人が答えに窮する指摘を受ける場面を目撃するようになる。このような場面は、真似をするつもりで深く観察をしないと気が付かないものである。お手本の完璧ではない面を知ることは「お手本通りでなければ失敗だ」のような、誤った理解を正してくれる。また自身が全く非効率な対処を強いられたり、答えに窮する指摘を受けた時の、少なくとも、心の準備ができるようになるだろう。