Lambda

新型コロナウイルス感染症が私の行動を変えてしまった

新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の流行が始まってから2年が経ち、未だ終息の兆しは見えないながらも、経済活動の再開には力強さが見られる。今後は酒を伴う飲食や、大規模イベントなども増え、従来の生活を取り戻していくものと思われる。

私は幸いにも新型コロナウイルス感染症を発症することなく今日を迎えた。それだけでなく、私はこの2年間、風邪らしい風邪を1度もひかなかった。それは感染対策に社会全体で取り組んだ成果であるとはいえ、個人が取り組める対策によって、感染症を殆ど完璧に抑え込むことができたという事実には大変驚いている。このコロナ禍で得た「感染症は個人の選択によって、かなりの部分、防ぐことができる」という実感は、私の意識と行動をかなり変えてしまったように思う。

かつては、手洗いがここまで感染症のリスクを下げるとは思わなかった。電車で通勤する、オフィスで仕事をする、飲み会に参加するといった、一つ一つの行動の感染リスクを意識することなどなかった。普通の生活のなかで風邪をひくのは避けようのないことと考えていたし、その普通の生活には、念入りな手洗いは含まれず、飲み会は含まれていた。

新型コロナウイルス感染症によって、普通の生活に対する認識が変わった。今では、何が感染症のリスクの高い行動であるかをはっきりと認識している。コロナ禍前の世界では、なにか大切な日に風邪をひいてしまったとき、それは誰のせいでもなく私はただ運が悪かった。けれども、これからの世界では、風邪をひいた原因の一部は私の行いである。数日前に飲み会をしたり、出先で目をこすった覚えがあれば、私は後悔するだろう。

この先、私は、旅行の3日前の晩に居酒屋に寄って帰ることを避けるだろう。家族が大事なイベントを控えていれば、マスクを着用し、手洗いには特に注意することだろう。私には感染症を防ぐ選択肢がある。このような認識は、新型コロナウイルス感染症の流行がなければ、私の人生に入り込むことは決してなかった。この2年間、風邪をひかなかったという経験が、これからの私の行動をすっかり変えてしまったのだ。