【Shade】自由曲面と出会えて
私がShadeと出会ったのは中学の2年か3年の時だったような気がします。昔からパソコンで3DCGを描いてみたいっていう願いがあって、勇気を出してお年玉握りしめてヨドバシカメラに行ったのを覚えています。
当時はExcelもロクに使えないくらいPCソフトには疎くて、ソフトコーナーに並んだソフトの箱を見ても何が何だかサッパリわかりませんでした。一緒にいた父が3DCGっぽいコーナーを見つけてくれて、そこで偶然見つけたShadeを購入しちゃったのよね。Shade Debut R4 (\19,800)。今だったら2万円もするソフトを直感で買うとか恐ろしくてとてもできないんですが、その時の自分が何を考えていたのか、よくわかりません。
今思えば、あの場でShadeじゃなくて六角大王を買ってたら、今ほどCGが好きにはなってないだろうなぁって思います。六角大王が悪いって言ってるんじゃなくて、今の自分の描く絵、描きたい絵を思えば、という話。比較的解説書にも恵まれてるソフトでしたし、純国産だったおかげでリファレンスもじっくり読むことができました。本当に運が良かったです。
そんなShadeに出会えて一番良かったな、と思えたのは自由曲面に出会えたこと。一般的にはスプラインカーブによるモデリングって言うのかしら(違うかも?)。もともと、粘土をこねたりするのは苦手で、2D絵描きより図面引きの方が得意な私には、自由曲面ほど適したモデリングツールはなかったと思います。形状の特徴を線でとらえる感覚とか、面の縦横や流れを掴む感覚とか、たくさんのことを学びました。私が今のような絵を描けるようになったのは自由曲面のおかげなのです。
けれども最近、自由曲面ではどうしてもモデリングしきれない部分に出くわす場面が多くなってきて行き詰まるというのをしばしば経験するようになってきました。昔ある方が言っていた「自由曲面というのはどこまで行ってもハンカチを折る作業なんですよ。」
という言葉が最近よく頭の中を巡ります。この限界を様々なテクニックで乗り越えてきた多くの先輩方に言わせれば、こんなところで諦めるのは早すぎるのかもしれない。けれども、オブジェクトを形作る美しい流れをねじ曲げたり、不自然なパーツ分割をしてまで自由曲面で作り続ける必要ってないんじゃないのかな。というのが私の今の気持ち。
今まで、自由曲面に出会えた喜びから、頑なにこの手法にこだわって絵を作り続けてきたのだけれど、自由曲面でできないことはポリゴンメッシュに逃げても良いんじゃないか、最近ではそんな風に思います。趣味で絵を描いてきたので、絶対これじゃなきゃダメっていう制約が非常に甘くて、作りにくいものは避けて、無理なものは諦めて今まで進んできた自分がちょっと嫌になってきた感じ。初めてShadeを手にしたあの日、いつかは身の回りのものでも空想上のものでも何でも立体化できるようになるって夢に見ていたような気がする。そのためには作りにくいからって逃げてちゃだめなんだよねって。
私は自由曲面がやりたかったんじゃなくて、CGが描きたかったんだなと思って今日からはもうちょっと積極的にポリゴンメッシュ系のモデリングにも挑戦していこうと思いました。今の今までポリゴンメッシュは殆ど無視してきたのでポリゴンメッシュはちょー苦手。ポリゴンの何が嫌って頂点数が増えてくるとワケわかんなくなるし、記憶+適用でピッタリ合わせるという技が使えないのが困るんですよねぇ。好きになれるかな…。
MiniDiary
文字数
レポートとか書くときは結構字数に詰まるのに、こういう記事書くときになったら1時間使わないで3000字クラスのテキストを書けちゃうから不思議です。