光と色に関するメモ
普通に写真を撮ると、たとえ物体に色がなくても光の色も完全な白ではないため、カラー写真とモノクロ写真は同じにはならない。光の色に関するメモ。
現実に起こる放射と吸収は固有のスペクトル分布を持っている。従って色を RGB の3色のみで擬似的に扱う CG において、どんな場面でも使い回しが可能な“固有の色”は決定できない。現実には、あるある光源の元では同じ色に見えて、別の光源の元では異なる色に見えるような事も起こり得る。色はレンダリング結果を見て調整してもよいパラメータと理解する。
色を決める要素としてもう一つ、フィルムの特性がある。デジカメにもちゃんとホワイトバランス機能がついている。屋外撮影用のフィルムで室内撮影を行うと赤みがかった暖色系の色合いになる。人間の目のホワイトバランスは全自動なのでその照明環境の下で白いものが白く見えるように調整される。
色温度は色の数値的な根拠として有効。太陽は 5500K 程度。これがフィルムのホワイトバランスの色温度より高ければ青っぽく、低ければ赤っぽく見えることになる。緑は、赤と青の強さを中間の範囲で適当に決めて良いと思う。
最後に、一般的な光源の特徴
- 太陽光
- めちゃめちゃ強い。日本だと晴れた日の南中時で 52klx くらいある(年平均)。もともとの色は青から紫外線領域が強めだが、青い成分は空全体に散乱しやすいので直接光は若干黄色っぽくなる。
- 天空光
- 空の色。晴れた日には主に青い光がやってくる。晴れた日で 20klx くらい、曇りの日で 52klx くらい(年平均)。感覚的には太陽光 + 天空光で丁度白になるくらいの色セットが良いと思う。
- 蛍光灯
- いろんな色の蛍光灯があるので、お店で見ると良い。オフィス等で使う白めの蛍光灯(6500K)は赤を控えめに、青と緑を強調するとそれっぽくなる。暖色系の蛍光灯は白熱灯を真似て作っているので、こちらもそれで対処。ちなみに、 40W 蛍光灯の明るさは 2800lm/m 程度らしい。カタログにスペックが載ってるので見てみると楽しいかと。
- 白熱灯
- 黄色とかオレンジっぽい色。色温度はせいぜいあって 3200K なので、普通のフィルムで撮影するとオレンジ色。青く映ることはまずあり得ない。ろうそく(1700K 程度)と比べると白っぽいかな、という程度。
投稿者 | CASPAR003 |
投稿時刻 | 22:48 |
カテゴリー | Shade |
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記事へのリンク | https://www.caspar003.info/delta/archive/2007/04/04/2248.html |
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