ca3 camera(しーえーすりー かめら)はShadeにカメラシミュレーション機能を追加するプラグインです.ライトブルームエフェクタとトーンマッピングの,2つの機能を持っています.

目次

  1. ダウンロード
  2. インストール
  3. アンインストール
  4. ライトブルームエフェクタ(ca3 bloom)
  5. トーンマッピング(Reinhard)(ca3 tonemap)
  6. 利用許諾(EULA)
  7. 募集
  8. 更新履歴

ダウンロード

最新版は>>Delta - ソフトウェアにて公開しております.

インストール

ca3 cameraはShade 3D ver.14以降,Standard以上のグレードのShadeで動作します.

ca3_camera.32.dll(Win, 32bit),ca3_camera.64.dll(Win, 64bit)のうちお使いのShadeにあった方をShadeのpluginsディレクトリにコピーしてください.Mac版はありません.

アンインストール

インストール時に追加したdllを削除してください.

なお,ca3 cameraはシーンファイルにカスタム属性を追加します.詳しくはカスタム属性の削除をご覧ください.

ライトブルームエフェクタ(ca3 bloom)

ライトブルームエフェクタ(ca3 bloom)は,aperture diffractionと呼ばれる光の回折効果をシミュレートするエフェクタプラグインです.

使い方

レンダリング設定から効果 - エフェクタで「ライトブルームエフェクタ(ca3 bloom)」を選びます(図).設定後にレンダリングを行うと,レンダリング終了後にライトブルームフィルタをかけます.

フィルタ処理が行われるとメッセージウィンドウにログが出力されます(図)

設定

カメラウィンドウの情報 - ca3 camera設定から設定画面を開きます(図).設定できるパラメータは2つです.

絞り形状
カメラの絞り形状です.
F値
カメラのF値です.

ちなみにca3 camera設定を開いたときにデフォルトで入力されている絞り形状とF値は,ca3 cameraが記憶している値とは無関係です.Shadeが勝手に変な値を入れてくるんだよう….ca3 cameraはOKボタンを押した時のフォームの値を正しく記憶しています.

パラメータの扱い方については,次の解説で述べます.

ca3 camera設定をOKボタンで閉じると,メッセージウィンドウにログが出力されます(図).

パラメータはカメラ毎に設定しますので,レンダリングに使用するカメラに対して設定を行ってください.

解説

ライトブルームエフェクタ(ca3 bloom)は,レンズで光を絞ったときにフィルム上に生じるaperture diffraction(またはlens diffraction)という効果をシミュレートしています.この効果は,像の中に輝度の大きなピクセルがある際に,近隣のピクセルに光が漏れ出す形で現れます(図).「光源が直接見えているとき,光が滲む効果が現れる」と考えておけばだいたいあっています.

この光のにじみ方は主に2つのパラメータの影響を受けます.一つはカメラの絞り形状です.図のように開口が円形の場合には全方位に均等に光が分散しますが,絞り形状によっては特徴的なスパイク状の回折パターンが現れます.もう一つは開口の大きさです.プラグインではこれをF値の形で与えます(参考: F値 - Wikipedia).回折光の広がりの半径rhoと開口経dの関係は次の式で表されます.

rho = 1.22 lambda / d

ここにlambda: 光の波長(このプラグインでは555nmを使っています).すなわち,回折光の広がりと,レンズ開口経は反比例の関係にあり,F値が大きいほど(開口が小さいほど)回折光の広がりは大きくなります.

標準的なカメラの場合は絞り形状は7角形,F値は以下のような値です.1.4, 2.0, 2.8, 4.0, 5.6, 8.0, 11, 16, 22, 32.

カスタム属性の削除

ツール-プラグイン-ca3 cameraカスタム属性の削除(図)をクリックすると,カメラに設定した絞り形状とF値がクリアされます.実行するとメッセージウィンドウにログが出力されます(図)

トーンマッピング(Reinhard)(ca3 tonemap)

トーンマッピング(Reinhard)(ca3 tonemap)は,レンダリング画像にReinhardのトーンマッピングを施すエフェクタプラグインです.

使い方

レンダリング設定から効果 - エフェクタで「トーンマッピング(Reinhard)(ca3 tonemap)」を選びます(図).設定後にレンダリングを行うと,レンダリング終了後にトーンマッピングを行います.

トンマッピングが行われるとメッセージウィンドウにログが出力されます(図)

設定

設定項目はありません.

参考

アルゴリズムの元ネタは次の文献です.Erik Reinhard, Michael Stark, Peter Shirley and James Ferwerda, "Photographic tone reproduction for digital images", Proceedings of the 29th annual conference on Computer graphics and interactive techniques, 2002

LuxRenderのReinhardトーンマッピングアルゴリズムを参考にしました.

パラメータはpre-scale = 6.0post-scale = 1.0burn = 2.0になっています.

使用上の注意

ブルームフィルタと併用する場合は,ブルームフィルタが先に実行されるようにしてください.他のエフェクタプラグインと併用する場合もそうですが,エフェクタはレンダリング画像を描き変えるので,かける順番によって結果が変わります.

利用許諾(EULA)

ca3 camera. Copyright© 2013 CASPAR003 <caspar003@caspar003.info>.

使用
このソフトウェアは,個人使用,業務使用を問わず自由に使用して頂いて構いません.
頒布
このソフトウェアの複製と頒布は,このライセンスを同梱することを条件に許可します.
免責
このソフトウェアは,無保証です.使用者の責任において使用してください.

募集

CASPAR003(作者)は現在,ca3 cameraのMac版をビルドして頂ける方を探しています.Shade 13 Plugin SDKでMac版のプラグインをビルドできる方で,協力して頂ける方がいらっしゃいましたら,CASPAR003 <caspar003@caspar003.info>までご連絡ください.

更新履歴

2013-09-xx
ca3 camera 1.0.0 初版公開 [記事]
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