Shadeで物理的な何か
フォトリアルCGの物理ベースワークフローの構成要素を「物理的なマテリアル,物理的なカメラ,物理的なライト」に分けて評価すると,私が今までに整理してきた知見はライトの項が手薄です.ライトのモデル化の問題は私も以前から認識してはいたのですが,物理ベース3要素のうち2つが決まれば,残りは結果を見ながら調整すればよいと考えて,あまり興味がなかったライトの項は手を抜いてきたというのがその理由です.
しかし最近になって,マテリアルの研究が一段落し,カメラについても執筆の目処が立ち,残されたライトの問題に一切言及しないことによるアンバランスが目立ってきたため,いよいよ何か言わねばならないという状況に追い込まれました.
ライティングの指針として,私が制作の時に意識しているのは
- フィラメントからモデル化して,リフレクター,レンズとシェードで配光するような手法は使用しない.
- 面積のない光源を使用しない.
- 照明器具の放射する光束に関する概算量を意識する.例えば,昼光と人工照明を組み合わせる場合の光量のバランス.
- 光源の色温度を管理して進める.
などです.
実際,発光のメカニズムに関する知識や,ライトとリフレクターとレンズがどのように組み合わさっているかという照明器具の構造に関する知識は,CG制作においてはあまり役に立たないので(見た目に影響しないという意味ではなく,情報が入手しにくいとか,その計算をレンダラーにさせることが現実的ではないという意味),明るさと色を合わせる知識さえあれば,CG制作には十分だと考えています.
内容は他の2項に比べると簡素になると思いますが,少しライトの分野を整理する努力もしてみようかなと思うのでした.
投稿者 | CASPAR003 |
投稿時刻 | 22:51 |
カテゴリー | Shade |
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記事へのリンク | http://www.caspar003.info/delta/archive/2015/03/20/2251.html |
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