手紙も電話も危険である
無重力さんから、うちの“インターネットだから危険”なのではないに対してトラックバックを頂きました。『「インターネットというインフラ自体が持つ危険性」』。
本題と関係ないのですけれど、中谷氏曰く「せっかくだから、今回は実験的に新しいことをやってみようと思いました。いわゆる「公開書簡」っぽい事。」
なのだそうで。中谷氏の言動には実験的という条件が付くことが多いのですけれど、「これは実験だ」と大っぴらに言われると読んでる方としては何となく腑に落ちない感じがするのは私だけでしょうかね。結果が出てから「実は実験のつもりだったのです」と言ってくれればそれでいいんじゃない?って。
はい、閑話休題。さて、中谷氏の主張は次のようなもの。
CASPAR003さんは「メディアリテラシーが不十分なら、オフラインで生きていても十分危険」と書いてくれたのですが、私はインターネットのみがもつ危険性があるんじゃないかと思うんですよ。
結論から言えば、不特定多数と簡単にコミュニケーションができることです。ネットのよいところでもありますが、危険性でもある。
なるほどな、と思いますね。“車は移動が速くて便利、でも速いから事故を起こすと危険”という言い方は十分通用するでしょう。同じことなのかな、という気がしました。注意喚起のためにそういう宣伝をするのは…ありだと思います。
とは言っても、やはり納得できない部分もあります。
そもそも、「メディアリテラシー」ってどこでも教えてくれない気がします。私は学習院大学の一年のときにパソコンの使い方の講義で1-2回、ネットの注意点を解説するサイトをみて要約を書かされただけです。個人的にネチケットについて教えてもらったのはそれだけです。…他ではネットの危険性を教えてもらった記憶がない。後は全部独学独習、および試行錯誤でメディアリテラシーについて知りました。いや、そもそも現在でもメディアリテラシーを身につけているのか、自分で自信がもてないです。
というのは何か違うのではないですか。メディアリテラシーとは情報を見定める能力のこと、やはりメディアリテラシーは無いと(実生活でも)危ない。まるでネットに足を踏み入れない人にはメディアリテラシーなんか関係ないような言い方、これはまずいと思います。
ネットはあくまで、情報の流れ方に違いはあれど、人とコミュニケーションをとる手段であることに違いはないのです。ネットを現実から切り離して考えるべきではありません。
私が“ネットは危険”という言い方に反応したのも、現実とネットの間に線を引いて、何か特別な技能が必要な世界であるかのように見て欲しくはない、見るべきではないからです。電話は危険ですか?手紙は危険ですか?そういうこと。
先の中谷氏の主張からすれば、それぞれに良いところ悪いところがある。だから電話も手紙も危険です。じゃぁ「手紙に不用意にキャッシュカードの番号を書いて送るべきではありませんよ」と誰も教えてくれないから危険なのか?そうじゃないでしょう。
そういう、誰だって危険だと思うことにあらためて注意を喚起するのが悪いとは言いません。でも、“○○は危険”という端的すぎる言い回しは、そういう誤解を含んでいると思います。
冒頭の繰り返しになりますが、“ネットは危険”という内容自体は、確かにその通りだと思います。ちょっと噛み付いてはみなものの…単に表現が気に入らなかっただけかな。という感じもして反省しています。
そんなわけで皆様、お付き合いいただきありがとうございました。続きがあったらまたお会いしましょう。
投稿者 | CASPAR003 |
投稿時刻 | 21:59 |
カテゴリー | 他所の支援と批判 |
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記事へのリンク | https://www.caspar003.info/delta/archive/2006/02/12/2159.html |
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- 中谷@無重力
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